食の価値開発の生産性向上おいても、「進化」のための「自社の開発マネジメント」の再点検が大きなカギを握ります。開発方針と開発体制は明確でしょうか。世の中の変化や新技術、食生活の変化、流通や物流、社会の変化を見据えた開発の方針や体制が必要です。自社の事業領域は、市販・業務・製造・販売・リージョナル・全国・海外・立ち位置・ポジション・機能・どの業界分野においているのか。そして、自社の基本技術・応用技術という固有技術によって、マーケット・ターゲットのどのようなニーズに対して新たな価値開発をするが開発の起点であり、開発方針です。その上でKGIとして開発目標が明確に設定されて初めて新商品の開発コンセプトメイクに入る。そして、仕入れ・生産加工・研究開発・企画開発・品質管理・製造・マーケティング・販売促進・営業・物流・管理の機能連携を再点検してください。
- 生産は、伝統技術の職人のように、従来技術だけで、ひたすら作ることに専念して自己満足に陥っていませんか。
- 営業は、顧客の開発ニーズという美名の元に、要望通りの商品を 低価格で提示する下請け開発に引きずり込まれていませんか。
- 仕入れ・生産・品質管理・商品企画・販促・営業がそれぞれ勝手に活動し、 時間・コスト・チャンスロス・経験知の喪失という無駄を積み上げていませんか。
自社の開発マネジメントが、開発実績を積み上げ、時間を味方にする継続性や、固有技術が磨かれていく体制になっているか、社会変化を汲み取った価値の開発に挑戦できているかという進化レベルを確認ください。市販品では、店頭の下段・中段でなく、上段に置かれる商品ポジションを狙い続けることも大切です。また、富裕層をターゲットにした食品通販や高質スーパー、食のセレクトショップなどのチャネルに向け、掛け率6割の取引条件でも収益の上がる高価格・高付加価値商品開発に取り組むなどの対策が重要です。また、自社の加工や小回りの利く生産体制や他社とタイアップしている製造技術との組み合わせを視野広く固有技術として取り込み、常に、特徴のある新商品をリリースすることも発信のひとつです。NBメーカーとして全国マーケットに対し、先行設備投資して一気に新商品開発による販売をすることは、中小・中堅食品企業では、ほぼ考えられません。小さく生んで、小回りを利かせて、差別化された特異性と継続性から育てていく、しかも、志高く、高付加価値型の商品開発で、収益性も小ロット生産から実現していく開発マネジメントに脱皮をしてください。
以上